WebRelease 2.75Q リリースのお知らせ

WebRelease 2.75Q をリリースいたしました。このリリースは WebRelease 2.75P に対するメンテナンスリリースです。

2.75P 以前のバージョンをお使いのお客様はこのバージョンへのアップデートをお願いいたします。

Tomcat をアップデート

2.75Q では Tomcat が 8.5.73 にアップデートされています。このアップデートにより、安定性、安全性が改善されています。

Jsoup をバージョンアップ

2.75Q では、html をパースしたり、パースした HTML から html を再度生成する時などに使用する Jsoup というライブラリがそれまでの 1.8.1 から 1.14.3 にバージョンアップされました。これにより template タグを正常に扱えるようになるなど、いくつかの点で動作が改良されています。

sftp ライブラリを ganymed から Jsch に変更

従来、sftp によるファイル転送を実装するために ganymed と呼ばれるライブラリを使用してきましたが、バージョン 2.75Q から ganymed の利用を中止し、代わりに Jsch というライブラリを利用するように変更いたしました。Jsch の採用により、特定の条件ではありますが sftp によるファイル転送の性能向上が期待できます。また、サーバとの間で利用する暗号関連のアルゴリズムのセットから SHA-1 を完全に除外することができるようになりました。これにより、SHA-1 の利用を許容していないサーバ、例えば、AWS Transfer Family SFTP を最新のセキュリティポリシーである TransferSecurityPolicy-2020-06 で運用する場合などでも、接続を行うことができるようになりました。

従来製品との互換性

WebRelease 2.75Q は WebRelease 2.75P に対して十分な互換性を維持しています。

このバージョンで修正された不具合

WebRelease 2.75Q では下記の不具合が修正されました。

  1. 圧縮エラーのメッセージが極端に長い場合にリソース編集画面がスクロールできなくなる

    識別番号
    3115
    該当バージョン
    不具合の詳細

    YUICompressor を使っての圧縮が指定されているリソース(javascript, css) については、圧縮が失敗するようなエラーがある場合に、そのリソース編集画面を開くと画面の上部にエラーメッセージが表示されますが、このエラーメッセージが非常に長い場合に、エラーメッセーがリソース編集画面を覆い尽くしてしまい、画面がスクロールできなくなってしまう。そのような状況に陥ると、リソースの編集や、圧縮指定の解除の操作ができない。

    改修方法

    修正いたしました。

  2. サイトのマネジャ以外にもコア数指定のポップアップが表示されてしまう

    識別番号
    3112
    該当バージョン
    不具合の詳細

    コンテンツ生成(配信)時に、コンテンツ生成処理に割り当てる CPU のコア数を指定するポップアップは、サイトのマネージャー権限を持つユーザにのみアクティブな状態で表示されるべきものと考えられますが、これまで、ポップアップがマネージャー権限を持たないユーザにも表示されていました。なお、ポップアップは操作可能ですが、保存ボタンは表示されていないため、実際の設定変更ができる状態になっていたわけではありません。

    改修方法

    修正いたしました。

  3. AWS File Transfer Family + EFS の環境にコンテンツを配信できない場合がある

    識別番号
    3104
    該当バージョン
    不具合の詳細

    AWS File Transfer Family に対して SFTP で接続して EFS (Elastic File System) にコンテンツを配信することができない場合がありました。これは、AWS File Transfer Family SFTP が、暗号関連アルゴリズムに SHA-1 の利用を拒否していることが原因でした。今回 sftp に使用するライブラリを従来の ganymed から Jsch に切り替えることで、この制限をクリアいたしました。

    従来のバージョンの WebRelease でも AWS File Transfer Family 側で、そのセキュリティポリシーに、少し古い(緩い)TransferSecurityPolicy-2018-11 を採用すればコンテンツの配信はできていました。

    なお、配信先に S3 を使うべく、AWS File Transfer Family + S3 の構成を採用した場合、SFTP を経由して WebRelease からのコンテンツの配信はできません。WebRelease が必要としているサーバ上のファイルの操作が一部 S3 上の AWS File Transfer Family 側で実装されていないためです。ですが、S3 へのアップロードであれば、WebRelease から S3 へ直接アップロードできるので、AWS File Transfer Family を必要とするケースはあまりないのではないかと思われます。

    改修方法

    修正いたしました。

  4. 2.75P でコンテンツ生成が遅くなった

    識別番号
    3103
    該当バージョン
    不具合の詳細

    2.75P のメンテナンスの影響で、特定の条件に合致してしまうサイトにおいて、コンテンツ生成の処理性能が悪化していました。あまり多発はしていない模様ですが、サイズの大きな画像や添付ファイルを多数保有しているサイトや、ディスク I/O の性能が条件によってスロットリングされている可能性のある環境で発生している模様です。

    改修方法

    修正いたしました。

  5. Windows 上の OpenSSH に対して sftp でコンテンツを配信できない

    識別番号
    3102
    該当バージョン
    不具合の詳細

    Windows (Server) 上で稼働する OpenSSH に対して sftp でコンテンツを配信できない。

    改修方法

    修正いたしました。

  6. 検索結果一覧画面に編集ボタンが出ないケースがある

    識別番号
    3097
    該当バージョン
    不具合の詳細

    ページの検索を行った結果の、検索結果一覧画面には、検索の結果ヒットしたページの一覧が表示され、その検索を行ったユーザが、そのページを編集する権限を持っている場合には、編集ボタンが表示され、検索結果一覧画面から直接ページ編集画面に入れるようになっています。しかし、ページが既に公開中になっていて、そのページに対して、編集を加えた新たなリビジョンが存在する場合に、検索結果一覧画面に編集ボタンが表示されないケースがありました。

    改修方法

    修正いたしました。