WebRelease 2.30 リリースのお知らせ

WebRelease 2.30 をリリースいたしました。このリリースにはページ単位の公開期間指定機能、ページのリビジョン管理機能、サイトのインポートとエキスポート機能など、さまざまな新機能が追加されています。

2.2x 以前のバージョンをお使いのお客様はこのバージョンへのアップデートをご検討ください。

今回リリースされたバージョン 2.30 の新しい機能は下記のとおりです。

ページの公開期間指定

バージョン 2.30 では、ページごとに公開期間の指定ができるようになりました。公開開始に指定された時刻が到来した時にページを自動で公開したり、また、公開終了時刻が到来した時にページの公開を自動で終了するなどの動作ができるようになりました。

ページに対して、未来時刻を指定した公開開始と公開終了が設定できるようになったのに合わせ、プレビュー機能にも時刻指定機能が追加されています。ページをプレビューするときに、プレビュー時刻を指定して、その未来時点でのページの状態をプレビューできるようになっています。プレビューには特別な処理は不要です。見たい時刻のプレビューはすぐに見ることができます。

さらに、予定されている公開開始および公開終了予定を一覧するための「スケジュール一覧」画面が追加されています。この画面により、いつどのページが公開されるのか、公開終了になるのかを確実に把握できるようになっています。このページにはスケジューリングされているページの状態も細かく表示されているため、マイルストーンに向けたコンテンツ開発の進捗確認にも利用できるようになっています。

サイトのインポート/エキスポート

バージョン 2.30 では WebRelease 上で管理運営しているサイトをエキスポートすることができるようになりました。また、エキスポートしたサイトをインポートすることができるようになりました。

この機能を使えば、異なる WebRelease 間でサイトを簡単に移動できます。また、サイトのコピーやバックアップの目的にもお使いいただけます。

サイトのエキスポートもインポートも、ブラウザ上での操作で行うことができます。WebRelease の画面からサイトをエキスポートして手元の PC にダウンロードすることができます。また、そのファイルを任意の WebRelease にアップロードしてインポートすることができます。

エキスポートファイルはパスワードを指定して暗号化 (128bit AES)することも可能です。

ページのリビジョン管理

バージョン 2.30 では、ページのリビジョン管理ができるようになりました。ページのある時点の状態をリビジョンとして保存しながらページの作成作業を行うことができるようになっています。

一旦公開されたページは自動で書き込み禁止のリビジョンとして保存されるようになっていますので、過去に公開したページを確実に保存することができるようになっています。

ひとつのページはいくつものリビジョンを保持することができます。いずれかのリビジョンを起点にしてページ作成作業を再開したり、過去に公開終了になっているリビジョンを再度公開することも簡単な操作できるようになっています。

マルチコア CPU への対応

バージョン 2.30 では、コンテンツ生成処理を並列処理するように改良が加えられています。これにより、マルチコア CPU の能力を十分に活用できるようになりました。コード自体にもチューニングが加えられていますので、従来バージョンに比べ、コンテンツ生成(FTP)時間が大幅に短縮されています。

テンプレート中のエラーチェックの強化

バージョン 2.30 では、テンプレートの展開の記述誤りや、リンク要素のリンク先ページが削除されている、または、公開期間外になっているなどの理由で発生する、コンテンツ生成中のエラーを検出し、プレビューウインドウ中にエラーメッセージを表示したり、 FTP ログにエラーメッセージを記録することができるようになっています。これにより、テンプレート中の誤りを早期に発見することができるようになっています。

なお、従来テンプレートがそのまま稼動するように、エラーチェックを従来レベルでしか行なわないようにしておくことも可能になっています。

一括処理の強化

バージョン 2.30 では、フォルダ中のページに対する一括処理が強化されました。2.30 では、フォルダ中のページをチェックボックスを使ったインタフェースで選択し、それらに対して一括して「公開」「公開終了」「公開期間設定」「他のフォルダへの移動」「削除」がおこなえるようになっています。

生成されるコンテンツの URL の衝突チェック機能

バージョン 2.30 では、生成されるコンテンツ中に含まれる URL の衝突を FTP 実行に先立って検出し、衝突がある場合に FTP を実行しない機能が組み込まれました。

従来、ページや画像、添付ファイル、リソースなどのファイル名を WebRelease 側に決定させている場合には衝突は発生しませんでしたが、近年は SEO などに関連するニーズにより、人手でファイル名を指定するケースも多く、誤って異なるコンテンツに同一のファイル名 (URL) を割り当ててしまい、それが公開サーバ上で衝突を起こし意図したコンテンツが公開できていない、という問題が発生する場合がありました。

バージョン 2.30 では、これらの問題に対応するために、FTP 実行直前にコンテンツ中の URL 衝突をチェックする機能が組み込まれました。衝突が発見された場合にはエラーを記録しますが FTP は行われません。

なお、従来どおりの動作を行うために、衝突チェックを行わないモードでの動作も可能になっています。

ユーザIDの有効期限設定

バージョン 2.30 では、WebRelease のユーザに対して、そのユーザIDの有効期限を設定できるようになりました。使われなくなったアカウントが放置されてしまっていることが原因で発生しうるセキュリティ上の問題に対応いたしました。

セッションタイムアウト時間の設定

従来、WebRelease のセッションのタイムアウト時間は 60 分に固定されていましたが、バージョン 2.30 からは、この時間を 10 分から 120 分の間で自由に指定できるようになりました。設定はユーザごとに行うことができます。

「一括ページ登録」機能の強化

従来からの「一括ページ登録」機能が一部強化されました。 CSV 型式のデータファイル中で、一括生成するページの公開サーバ上でのファイル名を指定することができるようになりました。

展開結果のサイズ制限

バージョン 2.30 では、展開結果のサイズ制限ができるようになりました。テンプレート作成中に wr-for の入れ子関係を誤ってしまい、結果として巨大な展開結果を生成してしまうことがありました。このことが、システム全体のメモリ消費を瞬間的に増大させ、システムの動作が不安定になってしまうことがありました。2.30 では展開結果のサイズを 1K バイト から 無制限までの間で 6 段階で制限できるようになっています。

展開結果のコンテンツの行末コードを 0x0a に統一可能

展開結果のコンテンツの行末コード 0x0a に統一することが可能になりました。展開を作成するときに、利用するブラウザや環境によっては、展開の中の行末コードが CR+LF (0x0d+0x0a) になったり CR (0x0d) になってしまう場合がありました。

展開結果としてスクリプトを生成する場合などに行末コードを LF (0x0a) に統一した場合があるため、 バージョン 2.30 では展開結果の行末コードを一律に 0x0a に揃える指定ができるようになりました。

テンプレート用関数 toEntityRef() の追加

文字列をいわゆる「文字参照形式」に変換する関数として toEntityRef() 関数が追加されました。

Tomcat 5.5.25 と JRE 1.5.0_13

WebRelease に同梱している Tomcat のバージョンが 5.5.25 となりました。また、同梱している JRE のバージョンが 1.5.0_13 になりました。

従来製品との互換性

バージョン 2.30 は従来製品 (2.1x および 2.2x)と十分な互換性を維持しています。従来版の機能や使用感を損なうことなくバージョン 2.30 にアップグレードすることができます。

2.1x または 2.2x バージョンの WebRelease からはこのバージョン 2.30 へのコンテンツの移行が可能です。2.30 には、バージョン 2.1x および 2.2x の WebRelease が使用していたストレージデータを 2.30 用に変換するコンバータが内蔵されています。バージョン 2.30 へのアップグレード後に WebRelease を起動すると自動的にコンバータが稼働してストレージデータを 2.30 形式に変換します。変換が完了してから WebRelease 2.30 が起動します。

ストレージサイズが大きい場合、ストレージのコンバージョンに時間がかかる場合があります。例えば 10,000 ページ程度のコンテンツを保持するストレージをコンバートするのには1時間ほどかかる場合があります。コンバートにかかる時間はお使いのサーバの CPU やディスクの性能にも依存します。アップグレード作業は時間的に余裕のあるときに行っていただきますようお願いいたします。

また、コンバージョンにともない、消費ディスク容量が約2倍に増加します。コンバージョンが完全に終了しても、安全のために旧形式のストレージはそのまま保全するようになっているためです。十分なディスク残量が確保されている状況でアップグレードを実施してください。

バージョン 2.30 は従来製品 (2.1x 2.2x)と十分な互換性を維持していますが、ページの公開期間指定やページのリビジョン管理など、ユーザインタフェースを含め、比較的大きな変更が加えられているバージョンでもあります。WebRelease の場合、アップグレードライセンスに規定されている範囲内であれば、一定の期間に限り、現在ご利用のバージョンと、新しいバージョンとを、異なるサーバ上で並行してご利用いただくことができます。事前にバージョン 2.30 の機能を確認しておきたいとお考えでしたら、検証環境をご用意いただき、現在ご利用のバージョンと並行して、新バージョンを試用することをご検討ください。

WebRelease 2.0 系をお使いのお客様へ

WebRelease 2.1x より前のバージョンにあたる WebRelease 2.0x をご利用のお客様には、大変申し訳ございませんが WebRelease 2.0x 系からは、この 2.30 への直接のアップグレードができません。バージョン 2.30 は 2.0x 形式のストレージデータを扱うことができないためです。

現在バージョン 2.0x をお使いで、バージョン 2.30 へのアップグレードを実行される場合は、大変お手数をおかけいたしますが、一旦、バージョン 2.21D へのアップグレードを行ってください。2.21D へのアップグレードを行なった時点で 2.0x 形式のストレージデータは 2.2x 形式に変換されバージョン 2.30 のコンバータが扱える状態になります。2.21D へのアップグレードを終えた時点で、そこからバージョン 2.30 へのアップグレードを行ってください。

現在 WebRelease2 をお使いのお客様へ

現在お使いの WebRelease2 のご購入日が 2005/4/1 以降のお客様は無償で WebRelease 2.30 へのアップグレードが可能です。Workgroup Edition をお使いのお客さまにはアップグレード製品 WR02WU を、また Enterprise Edition をお使いのお客さまにはアップグレード製品 WR02EU を無償にてご提供いたします。

ご購入日が 2005/3/31 以前のお客さまにおかれましては、お使いの WebRelease2 から WebRelease 2.30 へのアップグレードは有償とさせていただきます。現在 Workgroup Edition をお使いの場合にはアップグレード製品 WR02WU を、また Enterprise Edition をお使いの場合にはアップグレード製品 WR02EU をご購入いただくことで WebRelease 2.30 へのアップグレードが可能です。

このバージョンで修正された不具合

WebRelease 2.30 では下記の不具合が修正されました。

  1. WebRelease の再起動後に急激にパフォーマンスが劣化する場合がある

    識別番号
    200711-237
    該当バージョン
    2.1x 2.20x 2.21x
    不具合の詳細

    FTP 起動モードがマニュアルに指定されている状態で、FTP 起動を時刻指定でスケジュールしてある状態で WebRelease を停止させる。その後、スケジュールされていた時刻よりも 1 時間以上経過した時点で WebRelease を起動すると 1 時間以上遅延した FTP 起動スケジュールはクリアされて、そのスケジュールが破棄された旨のエラーメッセージが FTP ログに記録されるはずだが、クリアに失敗し、エラーメッセージだけを繰り返しだし続けてしまう。結果としてサーバのパフォーマンスが急激に劣化してしまい WebRelease の利用に支障が起きる。

    改修方法

    古くなった FTP スケジュールを適切に破棄するようにプログラムを修正いたしました。